祭り寿司(岡山県)

祭り寿司は、岡山県で祝い事やお祭りの際にふるまわれる華やかなちらし寿司で、「岡山ばらずし」や「備前ばら寿司」とも呼ばれています。瀬戸内海の海の幸や山の幸をふんだんに使い、目にも美しく、特別な日に欠かせない郷土料理です。
祭り寿司の歴史
江戸時代中期、岡山藩主・池田光正が「一汁一菜令」を出したことがきっかけとされています。庶民は「寿司の具はおかずではない」と工夫し、すし飯の上に多彩な具材を盛り付ける「ばら寿司」を生み出しました。その知恵と贅沢さが、現在の「祭り寿司」として受け継がれています。
祭り寿司(岡山県)の豆知識
●「ばらずし」とも呼ばれる
祭り寿司は地域によって「岡山ばらずし」「備前ばら寿司」と呼ばれ、地域や家庭によって具材や味付けに個性が出ます。
●節約令から生まれた創意工夫
「一汁一菜令」に対抗し、すし飯の中に具を入れたり上にのせることで、菜ではないという理屈で贅沢を楽しみました。
●蒸して食べる“ぬくずし”も
冷たい寿司とは異なり、具材をのせた後に全体を蒸して温かくして食べる「ぬくずし」という食べ方も岡山ならではです。
●瀬戸内の海の幸が主役
サワラ、アナゴ、モガイ、エビなどの魚介類を使い、彩りよく盛り付けます。山の幸のゴボウやタケノコも定番です。
薬剤師の食育コメント
栄養豊富な海の幸や野菜をふんだんに使った祭り寿司は、ビタミン・ミネラル・たんぱく質のバランスが良く、お祝いごとの料理としてだけでなく、健康面からも優れた一品です。

祭り寿司の作り方
材料|4人前
- 【材料】
- 米・・・2合
- 合わせ酢(酢50ml・砂糖30g・塩小さじ1)
- 干ししいたけ・・・4枚
- れんこん・・・100g
- にんじん・・・1/2本
- さわらの焼き物・・・2切れ
- 穴子の煮付け・・・1尾
- 錦糸卵・・・卵2個分
- むきエビ・絹さや・もみ海苔・・・各適量
調理ステップ
- 米を炊き、合わせ酢を混ぜてすし飯を作る。
- 干ししいたけは戻して甘辛く煮る。
- れんこん・にんじんは薄切りにして甘酢煮に。
- すし飯にしいたけ・にんじんを混ぜて器に盛る。
- 上にさわら・穴子・れんこん・エビ・錦糸卵・絹さや・海苔を彩りよく盛りつける。