栗おこわ(佐賀県)

日本の郷土料理「栗おこわ(佐賀県)」| 食育大事典

栗おこわ(佐賀県)

佐賀県では、秋の実りを祝い感謝する行事食として「栗おこわ」が親しまれています。特に収穫の時期である9月から10月にかけて、家庭や地域の行事でよく作られるごちそうです。もち米を使用して、ほくほくと甘みのある栗と一緒に蒸し上げたこの料理は、佐賀の自然の恵みを感じられる一品。ごま塩をふっていただくと、栗の甘みがより引き立ちます。

栗おこわの歴史

栗おこわは、古くから秋の収穫を祝う際に作られてきた郷土料理です。佐賀県内では、特に三瀬や小城、多久地域など栗の産地で盛んに作られ、祭りや運動会、十五夜などの行事にも欠かせない存在として親しまれてきました。

栗おこわ(佐賀県)の豆知識

  • もち米と栗の黄金比は?
    一般的にはもち米2合に対して、大きめの栗を10個程度使うとバランスよく仕上がります。
  • 栗の下処理が大事
    栗は皮をむいた後、しばらく水にさらすことでアクが抜け、色よく蒸しあがります。
  • 保存方法は?
    冷凍保存も可能で、ラップで小分けにして保存すれば、レンジで温めて手軽に再び楽しめます。

薬剤師の食育コメント

栗おこわは、炭水化物とビタミン、ミネラルをバランスよく摂れる栄養満点の一品です。栗にはカリウムやビタミンCも多く含まれており、疲労回復やむくみ防止にも役立ちます。季節の変わり目に体を整えるのにぴったりな食事といえます。

また、もち米の適度な糖質と栗の食物繊維は腹持ちがよく、食事の満足感を高めます。塩分の摂り過ぎに気をつけながら、旬の素材を楽しむことが健康維持につながります。

さらに、栗の渋皮を残したまま、甘く煮付けたり油で炒めたりして渋皮ごと食べることで、ポリフェノールの一種「タンニン」が摂取できます。タンニンには、活性酸素の働きを抑える抗酸化作用があり、体の老化を防ぐ効果が期待されます。若々しさを保ちたい方は、渋皮ごと味わう調理法にもぜひ挑戦してみてください。

食育大事典の郷土料理

栗おこわの作り方

栗おこわ(佐賀県)の作り方

郷土料理材料材料|4人前

  • もち米 … 2合
  • 栗(皮をむいたもの) … 200g
  • 塩 … 小さじ1/3
  • 酒 … 大さじ1
  • 水 … 適量(炊飯器の2合ラインまで)
  • 黒ごま塩 … 適宜

郷土料理調理ステップ調理ステップ

  1. もち米は洗って30分〜1時間ほど水に浸し、ざるに上げて水を切る。
  2. 栗は皮をむいて、水にさらしてアクを抜く。
  3. 炊飯器にもち米と栗を入れ、塩と酒を加えて2合の水加減に調整し、普通に炊く。
  4. 炊き上がったら軽く混ぜ、器に盛って黒ごま塩をふって完成。